12月の賞与(ボーナス)は出ましたか。
あなたはそれを何に使いますか。
年末年始に旅行費用に充てる人もいれば、欲しかったクルマや家電製品を買う人もいるでしょう。
でも、住宅ローンを返済中の方の中には、繰り上げ返済を検討している人もいるはずですよね。
今回は、もし住宅ローンを100万円分だけ繰り上げ返済したら、どれだけ効果があるのかについてシミュレーション(試算)してみました。
これにより、
- いくら支払利息が減らせるのか
- 何か月返済期間を短縮できるのか
について把握することができます。
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目次
エクセルで住宅ローンの繰り上げ返済の効果を試算
前提は以下の通りとします。
借入金額 | 3,000万円 |
借入期間 | 35年 |
適用金利 | 2.0% |
返済方式 | 元利均等月払 |
この条件から、毎月の返済額をエクセルで計算すると、99,378円となります。
エクセルのPMT関数の使い方(補足)
ここで、なぜ毎月の返済額が、なぜ99,378円と計算されたのか不思議に思ったかもしれません。
エクセルのPMT関数を用いれば、誰でも簡単にできます。
PMT関数のPMTは、Payment(支払)から来ているものですね。きっと。
毎月の返済金額
=PMT(適用金利, 返済回数, -借入額, 期末払)
=PMT(適用金利/12, 35年*12ヵ月, -借入額, 0)
- エクセルのセルに、まず=PMT()と入力
- そこからカーソルを()(カッコ)の中に、適用金利、返済回数、借入金額をそれぞれ入力
- 適用金利:世の中で金利といえば、年利のことです。年利とは元本を1年間借りたり(運用したり)することによってつく金利のことです。この場合のローンの返済は、年払いではなく月払いなので、月利を入れます。年利から月利を計算するには、年利を12で割ればよいのです。
- 返済期間:このケースで35年ですが毎月返済していくので、返済回数は借入年数×12ヵ月となります。
- 借入額:マイナスをつけて借入金額をそのまま入力
- 期末払:最後の0は期末払の意味です。仮にここを何も指定しなかったとしても、ここは自動的に0(期末払)が適用されます。
繰り上げ返済をしない場合(当初の返済計画通りの場合)
元利均等の月払いですから、毎月の返済額は変わりません。
変わるのは、利息部分と元本相当額の内訳です。
35年間の返済総額は、約4,174万円となります。
元々も借入金額は3,000万円ですから、約1,174万円の金利を負担していることになりますね。
これは金融機関にとっての粗利に相当する部分です。
ローン残高は、こんな感じで減っていきます。
では、ここから100万円を繰り上げ返済した場合の効果についてシミュレーションします。
繰り上げ返済する時期(タイミング)は、
- 1年後(12か月後)
- 10年後(120か月後)
- 30年後(360ヶ月後)
で考えます。
またここでは、繰り上げ返済した場合に、返済期間が短縮するケースを考えます。
毎月の返済額は変わりません。
1年後(12か月後)に繰り上げ返済した場合の効果
返済総額: 約3,980万円
支払利息: 約980万円
(繰り上げ返済しなかった場合よりも、約194万円支払い利息が少なくなりました)
返済期間: 401か月
(繰り上げ返済しなかった場合よりも、19か月返済期間が短縮されました)
ローン残高は、以下の様に減っていきます。
10年後(120か月後)に繰り上げ返済した場合の効果
返済総額: 約4,010万円
支払利息: 約1,010万円
(繰り上げ返済しなかった場合よりも、約163万円支払い利息が少なくなりました)
返済期間: 403か月
(繰り上げ返済しなかった場合よりも、16か月返済期間が短縮されました)
ローン残高は以下の様に減っていきます。
30年後(360か月後)に繰り上げ返済した場合
返済総額: 約4,060万円
支払利息: 約1,060万円
(繰り上げ返済しなかった場合よりも、約110万円支払い利息が少なくなりました)
返済期間: 409か月
(繰り上げ返済しなかった場合よりも、11か月返済期間が短縮されました)
ローン残高は以下の様に減っていきます。
以上を整理すると、こんな表になります。
まとめ:100万円の繰り上げ返済の試算で分かったこと
繰り上げ返済は、早期に行った方が
- 同じ金額でも返済総額(支払利息額)の削減効果が大きい
- 期間の短縮効果が大きい
ということですね。
注意点:住宅ローンの繰り上げ返済は計画的に(無理は禁物)
繰り上げ返済すると、確かに利息の負担が減り繰る分総支払額を減らすことができます。
また、(契約条件にもよりますが)ローンの返済期間の短縮も可能です。
であれば、積極的に「繰り上げ返済をしよう」と考えるのは早計です。
上げ返済するということは、手元のキャッシュ(現金)がなくなるということです。
そうなると想定外の支出に対応ができなくなります。
なので、
“(お金の)ご利用は計画的に”
の一方で、
“繰り上げ返済も計画的に”
ですね。
なお、繰り上げ返済について、金融機関によっては、
- 手数料が掛かる
- ローン返済開始後一定期間は繰り上げ返済ができない
といった条件が付帯されていますので、よくご確認ください。
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