東芝はもはや瀕死の重体です。
これまで日本経済をけん引してきた大企業の面影は、もはやありません。
7,125億円にも膨らむ原子力事業の損失により、
2017年3月期は4,999億円の赤字となる見込みです。
その結果、1,500億円超の債務超過に転落
することがほぼ確実と言われています。
こんな状況の中、東芝が長年スポンサーになっている
国民的アニメ「サザエさん」をどうすべきか
を考えてみました。
・・・事実をたどっていくと、
東芝はもうスポンサーを降板するしかないですよね。。。(-_-;)
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目次
東芝は債務超過回避のため、事業や資産を売却中
東芝は現在、赤字→債務超過を避けるべく、優良な事業や資産の“たたき売り”を断行中です。
例えば・・・
2016年に医療機器事業をキヤノンに約6,600億円で売却しました。
また、
2017年には半導体事業を売却予定です。
毎日新聞によると、この半導体事業の売却額は、最大で2.4~2.6兆円を見込んでいるとのこと。
関係者によると、東芝は、半導体事業の企業価値を2兆円程度と算定。全株式取得を望む企業に対し、少数株主がいなくなり経営がやりやすくなることに伴う上乗せの価値として、企業価値の20~30%程度のプレミアムを支払うよう求める方針という。売却額は、最大2兆4000億~2兆6000億円程度確保できる可能性があると見込んでいる。
出典:Yahoo! ニュース
ただ、これはあくまでも皮算用なんじゃないでしょうか。
買い手の立場からすれば、売り手である東芝の売却目的と期限はわかっているので、当然に東芝の足元を見て、相当のディスカウントを要求してくることが予想されます。
もし東芝が納得できる価格で売却できたら、ラッキーです。その売却益で原子力事業の損失を補てんし、債務超過から脱却が図れるかもしれません。
ただ、東芝の半導体事業は、年間約1,100億円の利益を生む、いわば“虎の子”の存在。倒産するよりマシですが、収益の柱を失うことになり、後で苦しみますね。
東芝社員17万人の窮状 ~東芝の職場を明るくする会のビラより~
東芝という会社が生き残るためには、事業や資産の売却だけでは不十分です。経常的な費用、特に固定費用を削減する大規模なリストラが必要です。
典型的な固定費用の例は、人件費です。
人材は、企業の収益を生み出す源泉です。が、視点を変えると、売上が上がっても上がらなくても、必ずかかるコスト(費用)でもあります。
17万人いる東芝グループの社員は現在、リストラで退職・転籍・給与削減といった痛みを強いられています。その影響は、社員の後ろにいる家族も受けます。
筆者は、先週金曜日の夕方(2/24)に、「東芝の職場を明るくする会」が発行したビラをたまたま手にしました。
そこには、社員や家族、OBからの切実な声も反映した窮状が訴えられていました。
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東芝はサザエさんのスポンサーを継続すべき?降板すべき?
もう一つ、東芝にとっては象徴的な固定費があります。
それは、あなたもご存じ国民的アニメ「サザエさん」のスポンサー料です。
具体的なスポンサー料(金額)が公に出てくることはまずないでしょうけど、日曜日の18:30-の枠ですから、相当高額なはずです。
全盛期ほどではないとは言え、現在でもアニメ部門の視聴率1位は不動でブッチギリですね。
番組名 番組平均視聴率 放送局 放送日 サザエさん 13.5% フジテレビ ’17/02/19(日) クレヨンしんちゃん 9.3% テレビ朝日 ’17/02/17(金) ちびまる子ちゃん 9.0% フジテレビ ’17/02/19(日) ドラえもん 8.6% テレビ朝日 ’17/02/17(金) ワンピース 7.3% フジテレビ ’17/02/19(日) 名探偵コナン 6.9% 日本テレビ ’17/02/18(土) ドラゴンボール超 6.2% フジテレビ ’17/02/19(日) タイムボカン24 4.5% 日本テレビ ’17/02/18(土) アニメおさるのジョージ 3.9% NHKEテレ ’17/02/18(土) 妖怪ウォッチ 3.7% テレビ東京 ’17/02/17(金) 出典:ビデオリサーチ
一般的に、視聴率が取れる番組でスポンサーがCMを打てば、視聴者の認知度(好感度)が上がり、結果として、スポンサー企業の製品(商品)の消費(購買)に繋がると考えられています。
東芝のケースでも同じです。
かつて(東芝がサザエさんのスポンサーをやる意味)
視聴者は、サザエさんの時間に流れる東芝のCMを観ることで、東芝ブランドの認知度が上がります。視聴者は消費者でもあります。視聴者は、冷蔵庫や洗濯機やエアコンなどを消費(購入)するときに、東芝ブランドを選好するのです。これは東芝にとっては売上ですね。
高いスポンサー料を支払っても、それ以上の売上が期待できるので、東芝がサザエさんのスポンサーとなる意味はあったのです。(一定の広告効果はあったのです。)
現在(東芝がサザエさんのスポンサーをやる意味)
では、現在の東芝にとって、サザエさんのスポンサーを継続する意味はあるのでしょうか。
明らかに答えは、Noです。
なぜなら、東芝は2016年に洗濯機や冷蔵庫などの白物家電事業(東芝ライフスタイル社株式の80.1%)を中国の美的集団に売却してしまっているからです。(売却額は負債も含めて約537億円)
現在でも東芝のブランドで白物家電は販売されています。しかし、東芝ブランドの家電製品の売上は、中国の美的集団に計上されるのですね。
東芝は、経営戦略を個人向け(BtoC)から法人向け(BtoB)に転換しました。
そんな状況にありながら、東芝が高いスポンサー料を払ってまで、サザエさんのスポンサーを継続する意味はほとんどないのです。(スポンサー料に見合う広告効果はないのです。)
2016年3月の事業計画説明会で、当時の社長室町正志氏は、「ブランドを重視する」としてサザエさんのスポンサーから降板することを、明確に否定しました。
社会貢献的な位置づけなんだとか。
17万人の東芝社員、その後ろにいる家族・OBなどが痛みを伴っている中、そんな悠長なこと(寝言)を言っちゃマズいですよね。
東芝網川社長がサザエさんのスポンサー降板を決断する時期はいつ?
現在の東芝の社長は、2016年6月にした綱川智氏。医療機器事業の出身でその立役者でありながら、2016年にその事業を売却しています。
この情報からすると、合理的な考えができる方なのかもしれませんね。
その流れでいうと、網川社長は、合理的だとは到底思えないサザエさんのスポンサーから、降板すべきと考えているかもしれません。
とすると、サザエさんスポンサーの降板のタイミングはいつでしょうか。
iSee-Labでは、2017年6月に開催される定期株主総会の時と予想します。
5月のGW明けに2016年度の通期の決算発表で、債務超過が確定的となり、金融機関や世間からは更にもう一段のリストラを要請する声が高まるでしょう。
それを受けて、6月の定時株主総会の時に、サザエさんのスポンサーからの降板発表があると予想します。
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東芝の次のサザエさんのスポンサーはどこ?
東芝がサザエさんのスポンサーを降板するとします。そしたら、次にスポンサーとなるのはどこの企業でしょうか。
(白物家電事業を東芝から取得した)中国の美的集団?
んー、とっても違和感ありますね。中国企業が日本の国民的アニメ「サザエさん」のスポンサーなんて・・・。それこそ、美的集団のブランドを前面に出したCMが大々的に流れたら、視聴者から反感を買いそうな・・・。
日立とかパナソニックなど日本の大手電機メーカー?
んー、これも違和感ありまくりですよね。
もはや日本人の中には、「サザエさん=東芝」というのが染みついてしまっています。それを「じゃ、来週から日立がスポンサーやりまーす」なんて訳にはいかなそうです。
“このー木、何の気、気になる気になる・・・♫”
という日立のCMを、東芝がやるくらい違和感がありますよね。
ソフトバンクは?
これ、どうでしょう?なさそうですけど(笑)
やったとしても、孫さんから一杯条件が付けられそうですよね。
- カツオの野球帽にソフトバンクホークスのロゴを入れろ!
- タラちゃんは、iPadで遊ばせろ!
とか・・・w
・・・もしかしたら、名乗り出るところがないかもしれませんね。
東芝のスポンサー降板で、サザエさんは放送終了?
これ、実はあり得るシナリオだと思っています。
そもそも、依然として視聴率は相対的にありますが、アニメの設定がもはやあまりにも時代にそぐわないですしね。
そんなことがあったら、一番困っちゃうのは・・・・フジテレビってことですかね~。
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